チェロの左手・拡張のこと①

チェロの弦を押さえる際のフォームに
「拡張」と呼ばれるものがあります。

簡単に説明すると
普段左手の人差し指・中指・薬指・小指を等間隔(約1.5cm)ずつ広げて弦を押さえていますが
「拡張」とは、人差し指と中指のみの間隔をさらに倍広げて(約3cmになる)押さえるフォームのこと。

しかもかなり初期の段階に登場するこの「拡張」。
初心者レベルのうちに習得する技にしてはなかなかに手強いフォームなので手こずる方は大変に多いこの技術。

さて、
なかなかに手強いと書きましたが
正しい指の使い方と手順を踏めば案外上手くいくもので
実際に私のところで最初からチェロを始められた方は綺麗な拡張のフォームを習得されております。

問題は他の教室から当教室へいらした生徒さん。
実に9割の方が拡張の押さえ方がよろしくありません。

拡張は正しい方法を教えても習得までにはそれなりに時間がかかります。
習得する側もそうですが、なにより教える側にもかなりの根気が必要です。

中にはもちろん丁寧に教えてらっしゃる先生もいますが、私の教室の門を叩いた経験者の方々の拡張フォームを見ると根気強く教える先生が少ない印象を受けます。

教える側にも相当な根気を要求されるので
もしかしたら、ですが途中で「もういいや」「ま、こんなもんでいいか」と諦める先生も多いのかもしれません。

しかし先生側が諦めてしまっては生徒さんが気の毒です。

さて、
拡張が上手くいっていない生徒さんですが
観察していると出来ない原因がほぼ全く同じ、幾つかの共通点があることに気づきました。

次回はその共通のポイントについて書いていきたいと思います。

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